日々の生活の中に、ボートで遊ぶ時間を!
自然環境に恵まれた島国である日本には、海を楽しむ方法がたくさんあります。
スキューバダイビング、ボードセイリング、フィッシングなどの本格的マリンスポーツ、近くの海で泳いだり、潜ったり、釣りをしたり。自然の中でとにかくのんびりと過ごすスローライフを味わうのも素敵ですね。
誰と楽しむかも大切なポイントでしょう。友達と、恋人と、彼氏彼女と、夫婦二人で、家族で、複数のファミリーが集まってわいわいやるのも楽しいですね。島に船を着けて、バーベキューなんてもう最高です!
そんなシーンに、あなたが船長になって「自分で操船するボート」があれば、楽しさはもう何倍にも膨らむことでしょう。
ボートには、クルージング、水上スキー、ウエイクボード、釣り、レースなど、様々な楽しみ方があります。
家族や友人を乗せて爽快なクルージングを楽しんだり、ポイントに直行してダイビングや釣りをしたり、スピードやスリルを味わったり、マリンスポーツを楽しんだり、海上に浮かんでのんびりしたり…。
最近では都会のウォーターフロントで、多くの人が集まる施設や、景色を楽しめるマリンスポットも人気です。
全国にあるマリーナや、船を直接つけられる「マリンレストラン」なども増えていて、海浜リゾートも充実してきています。「ボートをレストランの桟橋に横付けしてランチ」なんて、まるで夢のようですが、船舶免許があれば実現してしまいます。
興味はあるけれど、難しそうだな、自分には手が出ないな…。そんなイメージがあるかもしれません。船舶免許も、難しかった昔に比べて意外と簡単に取得できるようになりました。レンタルボート施設の充実も進んでいて、思ったより安く借りられます。
あなたの日々の生活の中に、ボートで遊ぶ時間を取り入れてみてはいかがでしょうか?
どんなボートがあるの?
モーターボート
クルージング、フィッシング、トーイング、遊び方は無限。
主にレジャーに使用されるモーターボートはたくさんのバラエティーがあります。小型船舶操縦士免許で操縦できるモーターボートはミニボートから全長24mまで。
たとえば「2級船舶免許」では、沿岸5海里以内の水域(約9km)を、総トン数20トン未満の小型船舶に乗船可能です。 「1級船舶免許」なら、全ての水域での航行が可能になり、島から島へのクルージングなども実現できます。 (詳しくはボート免許についてをご覧ください)
ミニボート
長さ3m未満のボートで取付けエンジン(船外機:エレキモーターを含む)の出力が1.5kw(約2馬力)未満のボート。
検査・免許不要。
自動車などへの搭載が可能で、アウトドアレジャーで人気です。
免許不要
小型艇
長さ7m未満が小型艇。 5m~7mの船型やフィッシングタイプが一番普及しています。自宅に保管してボートトレーラーに乗せて自動車で牽引して好きな場所で遊ぶこともできます。
必要な免許:
ボート免許(2級船舶)
ヨット
風を読み、帆を操る。自然と一体となる。
自然の風の力を使って走るヨットは独特の爽快感があります。
大海原の中を風と波の音しか聞こえない状態で、ゆったり走るクルージングはヨットの醍醐味もひとつです。(セーリング中はエンジンによる騒音が無いのです)
クルーザーヨットで、仲間と、家族と、絆を深めるのも良いでしょう。
ディンギーヨット
キャビン(居室)のないオープンデッキの小型ヨットで、主に湾内で楽しむエンジンのない1~2人乗り。艇種によってはスポーツとしても盛んでオリンピックの種目にもなっています。エンジンを取付けなければ、船舶検査、小型船舶操縦士免許は不要です。
必要な免許:免許不要
クルーザーヨット
4~6人乗り以上で、名前の通りクルーズ(巡航)出来るように、船内にベッドやキッチン等の居住設備を備えています。クルーザーヨットでは横流れを防ぐと同時に復元性を確保した「バラストキール」があり、長時間のセーリングが楽しめる構造になっています。
必要な免許: ボート免許(2級船舶)以上
水上オートバイ
水の上を颯爽と走る、スピード感、爽快感!
通称「ジェットスキー」や「マリンジェット」とも呼ばれる水上オートバイは、マリンスポーツの中でも、誰もが一度はやってみたい大人気のアクティビティ!
その名のとおり、水の上を颯爽と走るスピード感は、体験した方にしか味わえない醍醐味です。
老若男女問わず、手軽に始められるのも人気の理由の1つです。二人乗りや3~4人乗りで、家族や仲間と思いっきり楽しめます。
特殊小型船舶免許で操縦できる水上オートバイは、別名「パーソナルウォータークラフト(PWC)」とも呼ばれるウォータージェット推進システムを用いた乗り物です。一人乗りの「スタンディングタイプ(立って操縦)から、4人乗りまでできるシッティングタイプ(座って操縦)があります。
自動車でけん引したり、クルーザーなどの大型船舶に積載が可能なので行動範囲も広く、モーターボートと比べると船体価格も比較的安く、保険や維持費などもリーズナブルなため、マリンスポーツの第1歩として多くの方が水上オートバイ(特殊船舶)免許を取得しています。
必要な免許:
水上オートバイ(特殊小型)
ボートに乗ろう!!
知人・友人に乗せてもらう
とにかく、まずは乗船体験。
友人、知人、会社の同僚、親戚などでボートを所有している人がいたら、頼んでみましょう。
そしてボートの楽しさ、マナーやルールを教えてもらいましょう。
我が国でのプレジャーボートの普及率は全国平均で平成19年度末で約560人に1隻。愛媛県、広島県など瀬戸内海では、140~200人に1隻となっています。
(出典:平成19年度 日本小型船舶検査機構、平成19年総理府人口統計)
レンタルボートを借りよう
マリンクラブやレンタルクラブでボートをレンタルしよう。
全国にはマリーナやヨットハーバーが約580箇所あり、マリンクラブやレンタルクラブを運営しているところが多くあります。
このようなクラブでは、操船技術やその海域の情報や留意点をレクチャーしてくれるため、初心者でも安心して利用できます。レンタルなら、保管料や船舶検査、メンテナンスなどの維持費がかからないことも魅力です。
多くのレンタルクラブ等では、安全レクチャーや、離岸・着岸などをレッスンしてくれる初回講習などをしてくれるので、初心者やしばらく操船していなかった方も安心です。
マリンクラブやレンタルクラブの一例 全国のレンタルボート(JMRAのサイトを開きます)
自分のボートを持つ
ボートオーナーになる!
マイボートで楽しむには、ミニボートや水上オートバイ、一部小型艇を除いて、まずは保管場所が必要になります。
最近では漁港の一部を活用した「フィッシャリーナ」や港湾での簡易保管場所も設置され、マリーナなどを含めその選択肢は増えてきています。
インターネットや専門誌などで調べたり、地域の情報は地域のディーラーでも入手できます。
「どこで(自宅からどの位で)」、「どの様な目的で」、「どの様な人と(ファミリーで)」、「予算はどの位で」と十分に計画をたてましょう。 マイボート購入にあたっては、保管場所や維持費のコストも予定しておく必要があります。
また、万が一に備え「ボート保険」に加入してください。ボートやヨットには自動車のように「強制保険」の制度はないので、オーナー自ら保険に入る必要があります。 マリーナによっては団体保険を組んでいるところもありますので、「損害賠償保険」と「搭乗者保険」には入っておくべきでしょう。
マリンレジャーの楽しさは「安全」が前提です。
「準備・チェック」を基に余裕ある「行動計画」と「経験」の積み重ねです。
海(自然)は、初心者だから、遊びだからといって手加減はしてくれません。
マリーナのスタッフなどに地域の海域情報などを聞き、安全に留意して、マナーや海上交通ルールを守って楽しんでください。
ボートを安全に楽しもう!
ボートは海や河川など大自然と共に楽しむレジャーです。大自然は時に危険を伴う状況へと導くことがあります。ボートを安全に楽しむためにはルールとマナーを守ることが大切です。
海のルールとマナー
●出航前にマリーナなどへ出港届けを忘れずに済ませましょう。また緊急時の連絡先もはっきり伝えておきましょう。
●海上では危険と思われるところに入らないこと、また近づかないことです。
●海上での航行ルールを守ることはもちろん、地域ごとのルールにも注意して下さい。
●景色に見とれて脇見操縦する危険は車と同じです。くれぐれも飲酒操船はやめましょう。
●漁網や、養殖設備の所在を確かめ、漁業者に迷惑をかけないようにしましょう。
●岸の近くや、河川などでは曳き波に注意して走行しましょう。
●海上でのゴミや空き缶は海に捨てずに、ゴミ袋を用意し必ず家庭まで持ち帰るようにして下さい。
無理のない航海計画をたてよう
●ボートの性能や自分の操船技術に合わせた航海計画を立てる。
●夜間の航行はできるだけ避ける。
●2隻以上のグループ航行を心がける。
●航行する水域を良く知っておく。
●万一の避難方法を考えておく。
気象・海象情報のチェック
出航前にその日の天気情報を十分確認しましょう。危険かなと思えるような状況でしたら、勇気をもって計画変更をしましょう。今が良くても天候は刻々と変化します。先を見越した天候を知っておく必要があります。
必要な備品のチェック
法定安全備品を出港前にチェックし、いつでも使えるよう、整理・整頓して積み込んでおきます。
●法定書類
(1)海技免状
(2)船舶検査証書、船舶検査手帳
●携帯品
(1)海図
(2)航路案内書
(3)航海計器類(作動確認し取り扱い説明書を常備しましょう)
(4)船体・機関の取り扱い説明書
(5)無線機、船舶電話、携帯電話、ラジオ
船体の確認
●給油
出港前に燃料残量を確認し、必ず満タンにします。
●船体の点検
・船体各部の損傷はないか。
・船内に水はたまっていないか。
・燃料漏れはないか。
・船体各備品の作動は良いか。
自己救命策の確保
●ライフジャケットの常時着用
同乗者全員分のライフジャケット(救命胴衣)を用意し、常時着用を心がけましょう。
ライフジャケットの着用は生存率向上に大きく寄与します。
●携帯電話等の適切な連絡手段の確保
耐水タイプ又は防水パックに入れた携帯電話を携行し、速やかな救助要請をしましょう。
●118番の有効活用
海の事件・事故などの緊急通報は「118」番に通報しましょう。